ラグビーの試合を見ていると、もっとも頻繁に耳にする反則名といえば「オフサイド」ではないでしょうか。「名前は知っているけれど、英語でどう書くの?」「そもそもどういう意味?」と疑問に思う方も多いはずです。英語の綴り(スペル)を知ることで、ルールの本質や言葉の成り立ちがよくわかり、観戦がさらに面白くなります。この記事では、オフサイドの正しい綴りとその語源、そしてラグビーにおける具体的なルールの仕組みを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
「オフサイド」の綴り(スペル)と正しい書き方

まずは、今回もっとも知りたい情報である「オフサイドの綴り」について詳しく見ていきましょう。英語としての正しい書き方を知っておくと、海外の試合中継やSNSでの情報収集にも役立ちます。
基本の綴りは「Offside」
オフサイドを英語で書くと、Offside となります。すべて小文字で書く場合は「offside」、文頭に来る場合は「Offside」です。この単語は、「Off(〜から離れて)」と「Side(側、位置)」という2つの言葉が組み合わさってできています。「f」は2回続くので、書き間違えないように注意しましょう。
ハイフンは必要?「Off-side」との違い
古い文献や一部の辞書では「Off-side」のようにハイフンを入れて表記されていることがありますが、現在の一般的な英語、特にスポーツのルールブックや公式な表記ではハイフンなしの「Offside」が一語として定着しています。もし自分で書く機会がある場合は、ハイフンを入れずに続けて書くのが自然で間違いがありません。
複数形はあるの?
オフサイドは「状態」や「反則の名称」を表す言葉なので、基本的には不可算名詞(数えられない名詞)として扱われることが多いです。しかし、反則の回数を数えるような文脈(例:「彼らは試合中に3回オフサイドをした」など)では、単純に「offsides」と複数形になることもあります。ただし、日本語の中で使う分には「オフサイド」だけで十分通じます。
英語としての「Offside」の意味と語源

綴りがわかったところで、次は言葉の意味を深掘りしてみましょう。なぜ「Off」と「Side」なのか、その語源を知ると、ラグビーのルールが「なるほど!」と腑に落ちるようになります。
「Off」が持つイメージ
「Off」という単語には、スイッチのオン・オフのように「切れる」という意味だけでなく、「〜から離れて」「外れて」という意味があります。ラグビーにおいては、「プレーできる正しい場所から離れてしまっている」「正規の位置から外れている」というニュアンスで使われています。つまり、今はプレーに参加してはいけない「圏外」にいる状態を指しています。
「Side」が指すもの
「Side」は「側」や「側面」を意味しますが、スポーツにおいては「チーム」や「陣地」を指すこともあります。しかし、ここでの「Side」は「On side(オンサイド)」という対義語とセットで考えるとわかりやすいでしょう。「正しい側(On side)」にいるか、「外れた側(Off side)」にいるか、という位置関係を表しているのです。
「Onside(オンサイド)」との関係
オフサイドを理解するには、反対語である「オンサイド」を知ることが一番の近道です。オンサイドとは、プレーに参加しても良い正しい位置にいる状態のことです。ラグビーでは常に「ボールよりも自分たちの陣地側(後ろ)」にいることが原則です。この原則を守っている状態がオンサイド、守れていない状態がオフサイドとなります。
言葉の歴史的背景
オフサイドという言葉は、軍事用語の「Off the strength(定員外、戦力外)」から派生したという説や、単純に「Off the proper side(適切な側から外れている)」を短縮したという説があります。いずれにせよ、19世紀のフットボール(サッカーやラグビーの元となった競技)の発展とともに、「卑怯な待ち伏せを防ぐ」ための言葉として定着していきました。
ラグビーにおけるオフサイドの重要性

言葉の意味を理解したところで、なぜラグビーにこのルールが必要なのかを考えてみましょう。もしオフサイドがなかったら、ラグビーはまったく別のスポーツになってしまうほど重要なルールです。
「陣取り合戦」としてのラグビー
ラグビーは、ボールを持って相手の陣地に攻め込む「陣取り合戦」です。ディフェンス側は横一列に並んで壁を作り、オフェンスの前進を食い止めます。もしオフサイド(=待ち伏せやフライング)が許されてしまうと、この「壁」を作る意味がなくなり、戦術的な駆け引きが消滅してしまいます。全員が整列して正々堂々とぶつかり合うために、このルールが存在します。
スペース(空間)を守るためのルール
ラグビーでは「スペース(空間)」を見つけて攻めることが鍵となります。オフサイドのルールがあるおかげで、ディフェンスとオフェンスの間には必ず一定の距離や空間が生まれます。この空間があるからこそ、パスを回したり、華麗なステップで抜いたりといった見せ場が生まれるのです。オフサイドは、ゲームの面白さを守るための守護神とも言えます。
サッカーのオフサイドとの違い
よく比較されるサッカーのオフサイドとは、決定的な違いがあります。サッカーは「相手の後ろから2番目の選手」など守備側の位置が基準になりますが、ラグビーのオフサイドラインは、基本的に「ボール」または「ボールのある地点」が基準です。ボールよりも前にいる味方は、全員がオフサイドの位置にいることになります。
試合でよく聞く「オフサイド」の種類とライン

ラグビーのオフサイドには、状況に応じていくつかの種類があります。ここでは、試合中によく起こる代表的なパターンを詳しく解説します。これを知っておけば、レフリーが笛を吹いた理由がすぐにわかるようになります。
オープンプレーでのオフサイド
ボールが自由に動いている「オープンプレー」中では、ボールを持っている味方選手よりも前にいる選手は全員オフサイドの位置にいます。この状態でパスをもらったり、相手を邪魔したりすると反則になります。特に、味方がキックをした際、キッカーよりも前にいる選手がボールを追いかける場面でよく見られます。これを防ぐには、キッカーに追い越してもらうか、後ろに下がる必要があります。
ラックやモールでのオフサイド
試合中、選手が密集してボールを奪い合う「ラック」や「モール」の状態になると、目に見えない「オフサイドライン」が出現します。このラインは、密集に参加している一番後ろの選手の足(最後尾)のラインです。守備側も攻撃側も、このラインよりも後ろに待機していなければなりません。ここから飛び出してしまうと「オフサイド」を取られます。
スクラムでのオフサイド
スクラムの場合、スクラムに参加していないバックスの選手たちには、スクラムの最後尾からさらに5メートル後ろに下がらなければならないというルールがあります。これを「5メートルオフサイド」と呼びます。スクラムに夢中になってうっかり前に出すぎてしまうと、相手にペナルティを与えてしまいます。
ラインアウトでのオフサイド
タッチラインからボールを投入する「ラインアウト」では、ボールが投げ入れられる列に参加していない選手は、ラインアウトの中心線(マークオブタッチ)から10メートル後ろに下がる必要があります。これを「10メートルオフサイド」と言います。ラインアウトが終了する前にこの距離を詰めてしまうと反則になります。
アクシデンタル・オフサイド
これは少し特殊なケースです。ボールを持った選手が、前にいる味方選手に偶然ぶつかってしまった場合などに適用されます。「意図的ではない」と判断された場合に取られるもので、相手チームにはペナルティキックではなく、スクラムが与えられます。反則というよりは、プレーの再開方法の一つとして覚えておくと良いでしょう。
覚えておきたい!オフサイドにならないためのポイント

選手たちは激しい動きの中で、常にオフサイドにならないよう気を配っています。では、具体的にどのような行動をとれば反則を防げるのでしょうか。観戦時の注目ポイントとしても楽しめます。
「万歳」をしてアピールする
試合を見ていると、選手が両手を上げて「万歳」のようなポーズをしていることがあります。これは「僕は今オフサイドの位置にいます!プレーには参加しません!」とレフリーにアピールしている姿です。ルール上、オフサイドの位置にいてもプレーに関与しなければ反則にはなりません。このアピールは、無用なペナルティを避けるための重要なテクニックです。
キッカーの後ろからスタートする
キックを使った戦術では、キックを蹴る瞬間にキッカーよりも後ろにいることが絶対条件です。味方がキックをするとわかった瞬間、前にいる選手たちは足を止めたり、後ろに戻ったりします。そして、キッカーやオンサイドの味方が走り込んできて追い越してくれた瞬間に、再びプレーに参加できるようになります。「オンサイドに戻される」という表現を使います。
レフリーの声をよく聞く
レフリーは選手たちに対して、頻繁に声をかけています。「Stay!(待て!)」「Hold!(そのまま!)」といった指示が出ているときは、オフサイドラインを超えないように警告してくれているのです。選手たちはこの声に敏感に反応し、ラインギリギリでの攻防を繰り広げています。テレビ観戦でも、現地の音声に耳を傾けるとレフリーの声が聞こえることがあります。
すぐに自陣へ戻る意識
タックルをして倒れた選手や、ラックに参加して倒れた選手は、すぐに立ち上がって自陣側(オンサイドの位置)に戻らなければなりません。地面に倒れたまま相手のプレーを妨害すると、オフサイドや別の反則を取られてしまいます。激しくぶつかった直後でも、すぐに立ち上がってポジションに戻る選手の勤勉さは、ラグビーの見どころの一つです。
ラグビー観戦が楽しくなる豆知識

最後に、オフサイドに関するちょっとした豆知識を紹介します。これを知っていると、スタジアムやテレビの前で「今のオフサイドだね!」と通な会話ができるようになります。
レフリーのシグナルに注目
レフリーがオフサイドの反則を取るとき、腕を斜め上にあげて、ペナルティキックを得たチームの方向を指します。副審(タッチジャッジ)がいる場合、オフサイドがあった地点に旗を横に出してピッチに入り、レフリーに知らせることもあります。笛が鳴った後、レフリーがどのようなジェスチャーをしているか注目してみてください。
アドバンテージとの関係
オフサイドが起きても、すぐに笛が鳴らないことがあります。これは「アドバンテージ」というルールが適用されているためです。反則をされた側のチームがボールを持ち続け、そのまま攻めたほうが有利だとレフリーが判断した場合、プレーは続行されます。画面の端に「Advantage」のマークが出ているときは、反則があったけれどチャンスが続いている合図です。
「ノット10メートル」のルール
相手がペナルティキックを蹴ってプレーを再開しようとしたとき、守備側のチームはすぐに10メートル後ろまで下がらなければなりません。これを怠ってプレーを邪魔すると、さらに10メートル前進させられるという追加の罰則があります。オフサイドを犯した後は、素直に素早く下がることがチームを救うことにつながります。
まとめ:オフサイドの綴りと基本を理解してラグビーをもっと楽しもう
今回は「オフサイド 綴り」というキーワードから、英語の正しい書き方や語源、そしてラグビーにおけるルールの詳細まで解説しました。
Offside という綴りは、「Off(離れて)」と「Side(側)」が組み合わさったもので、正しい位置から外れてしまっている状態を表しています。ラグビーにおいては、ボールよりも前にいる選手はプレーに参加できないという、ゲームの秩序と面白さを守るための最も基本的で重要なルールです。
一見複雑そうに見えるオフサイドですが、「ボールより前はオフサイド」「セットプレーには目に見えないラインがある」という基本さえ押さえておけば大丈夫です。選手たちが両手を挙げてアピールしたり、レフリーの声に反応して下がったりする姿に注目すると、試合観戦の深みがぐっと増します。ぜひ、次回のラグビー観戦では「Offside」の文字とルールの意味を思い出して、選手たちの駆け引きを楽しんでみてください。
