ラグビーのドロップゴールが減った理由とは?現代戦術とルールの変化を解説

ラグビーのドロップゴールが減った理由とは?現代戦術とルールの変化を解説
ラグビーのドロップゴールが減った理由とは?現代戦術とルールの変化を解説
観戦・歴史・文化

ラグビーの試合を観戦していて、「昔に比べてドロップゴールを見る機会が減ったな」と感じることはないでしょうか。かつては接戦を制する大きな武器として、あるいは試合の流れを変える一手として頻繁に見られたドロップゴールですが、現代ラグビーではその数が明らかに減少しています。

2003年のワールドカップ決勝でジョニー・ウィルキンソンが決めた劇的な優勝決定ゴールのようなシーンは、今では非常に稀なケースとなりました。なぜ、これほどまでにドロップゴールは使われなくなってしまったのでしょうか。

その背景には、単なる流行り廃りではなく、ラグビーという競技自体のルールの進化、得点システムの変更、そしてチーム戦術の高度化といった、明確で論理的な理由が存在します。この記事では、ドロップゴールが減少した理由を、歴史的な背景や現代の戦術トレンドを交えながら、詳しく解説していきます。

ラグビーのドロップゴールが減った最大の理由は得点システムの変更

ドロップゴールが減った理由として、最も直接的かつ大きな影響を与えているのが「得点システムの変更」です。ラグビーの歴史を振り返ると、トライとゴールの点数配分は何度も見直されてきました。

かつてはドロップゴールの価値が相対的に高かった時代もありましたが、現代では「トライを狙うこと」のリターンが圧倒的に大きくなるようにルールが設計されています。ここでは、その歴史的変遷と、点数差がもたらすチームの判断基準について詳しく見ていきましょう。

トライの点数が4点から5点へ変わった歴史

ラグビーというスポーツが誕生した当初、実は「トライ」そのものには得点がありませんでした。トライとは、文字通り「ゴールキックに挑戦(トライ)する権利」を得るためのプレーだったのです。得点はゴールキックが成功して初めて記録されていました。

その後、トライ自体にも点数が与えられるようになりましたが、長らくその価値は低いものでした。しかし、より攻撃的で観客を魅了する試合展開を促すために、国際ラグビーボード(現ワールドラグビー)は徐々にトライの点数を引き上げていきます。

1971年まではトライは3点でしたが、1972年に4点へと変更されました。そして、現代ラグビーにおける決定的な転換点となったのが1992年のルール改正です。この時、トライの点数が4点から現在の「5点」へと引き上げられました。

この変更は、試合の戦術を根底から覆しました。コンバージョンゴール(2点)と合わせれば、1つのトライで最大7点を獲得できます。一方でドロップゴールは3点のまま据え置かれました。つまり、かつては「トライ(4点)とドロップゴール(3点)」で1点しか差がなかったものが、現在では「トライ(5点)とドロップゴール(3点)」で2点の差がついたのです。

さらにコンバージョンを含めた「7点」と「3点」を比較すると、その差は倍以上になります。この点数配分の変化により、チームは難しいドロップゴールを狙うよりも、リスクを冒してでもトライを取りに行く方が、勝利への近道であると判断するようになりました。

3点差以上の価値を生むボーナスポイント制度の導入

得点そのものの点数変更に加えて、ドロップゴール減少に拍車をかけたのが「ボーナスポイント制度」の導入です。これは、勝敗による勝ち点に加え、試合内容に応じて追加の勝ち点を与えるシステムです。

多くの主要大会(ワールドカップやリーグワンなど)では、「1試合で4トライ以上を挙げたチーム」に勝ち点1がボーナスとして付与されます。このルールは、勝っているチームにも、負けているチームにも、最後まで攻撃の手を緩めずにトライを狙い続ける強い動機を与えました。

ドロップゴールで3点を積み重ねて勝利したとしても、トライ数が足りなければボーナスポイントは得られません。リーグ戦形式の大会では、この「ボーナスポイントの1点」が最終的な順位、ひいては優勝争いや降格争いを左右することが多々あります。

そのため、監督やコーチは選手に対し、「安易にドロップゴールで3点を取るよりも、フェーズを重ねてトライを狙い、4トライのボーナスポイントを目指せ」という指示を出すことが一般的になりました。

この制度がある限り、チームの戦術はどうしても「トライ重視」にならざるを得ません。ドロップゴールは「勝つためにどうしても必要な3点」という場面以外では、戦術的な優先順位が低くなってしまったのです。

【用語解説】ボーナスポイント制度
勝敗の勝ち点(勝ち4点、引き分け2点など)とは別に与えられる追加点。
1. 4トライ以上獲得で+1点
2. 7点差以内の敗戦で+1点
この制度により、アタッキングラグビーが推奨されています。

リスクとリターンを天秤にかけた時の判断基準

ラグビーは確率と判断のスポーツです。フィールド上の司令塔であるスタンドオフ(SO)は、瞬時にプレーの選択を迫られますが、その際の判断基準となるのが「リスクとリターン」のバランスです。

ドロップゴールは成功すれば3点が入りますが、失敗すれば相手にボールを渡してしまうことになります。多くの場合、ドロップゴールを外すとボールはデッドラインを割って相手ボールのドロップアウト(22メートルラインからのキック)での再開となるか、インゴールで抑えられて同様に再開となります。

つまり、ドロップゴールの失敗は「攻撃権の喪失」を意味します。せっかく敵陣深くまで攻め込んだチャンスを、3点を得るかどうかのギャンブルに使ってしまい、外した上にボールまで失うというのは、現代ラグビーのデータ分析において非常に効率の悪いプレーとされています。

一方で、ボールを保持し続けて(ポゼッションして)攻撃を継続すれば、相手の反則を誘発してペナルティキック(成功率の高い3点)を得られる可能性もありますし、ディフェンスを崩してトライ(5点〜7点)を奪える可能性もあります。

現代のデータラグビーでは、「ボールを持ち続けて攻めることの期待値」の方が、「ドロップゴールを狙う期待値」よりも高いと算出されるケースがほとんどです。そのため、選手たちは直感的に「ここはドロップゴールだ」と思っても、チームの規律としてボールキープを選択することが求められているのです。

データ分析が示す「トライ狙い」の有効性

近年のラグビー界では、GPSデータやプレーごとのスタッツ分析が急速に進化しています。どのエリアから、どのような攻撃を仕掛ければ得点効率が最大化するか、膨大なデータに基づいて戦術が組み立てられています。

データアナリストたちの分析によると、敵陣22メートルライン内(通称:レッドゾーン)に侵入した際、ドロップゴールを選択した場合の平均獲得スコアは、トライを狙い続けた場合の平均獲得スコアを大きく下回ることが分かっています。

例えば、ドロップゴールの成功率が仮に70%だとしても、期待値は2.1点です。しかし、そこから攻撃を継続してトライ(コンバージョン込みで7点)を取れる確率が40%、ペナルティゴール(3点)を得られる確率が30%だとすれば、攻め続けた方がトータルの期待値は高くなる傾向にあります。

もちろん、これは一般的な確率論ですが、プロチームはこうした確率を徹底的に頭に叩き込んでいます。「感覚」でプレーするのではなく、「最も勝率が高い選択」を積み重ねるのが現代ラグビーです。その結果、論理的に「損」である可能性が高いドロップゴールは、選択肢から排除されつつあるのです。

守備戦術の進化とプレッシャーの増大

得点システムの変化に加え、守備(ディフェンス)の進化もドロップゴールを困難にしている大きな要因です。現代ラグビーのディフェンスは、かつてとは比べ物にならないほど組織化され、スピードも上がっています。

ドロップゴールを成功させるためには、ボールを落として蹴るための一瞬の「タメ」と、ボールの軌道を確保するための「スペース」が必要です。しかし、現代の守備システムはその両方をキッカーから奪い去ってしまいました。

組織的なディフェンスラインとラッシュアップ

現代ラグビーのディフェンスにおける最大のトレンドは「ラッシュアップ(シャローディフェンス)」と呼ばれるスタイルです。これは、ディフェンスラインに並んだ選手たちが、ボールが出た瞬間に一斉に前に飛び出し、相手のアタックラインとの距離を一気に詰める戦術です。

一昔前のディフェンスは、相手の動きを見ながら横にスライドしていく「ドリフトディフェンス」が主流でした。この守り方であれば、攻撃側にはある程度の時間的余裕があり、スタンドオフが落ち着いてドロップゴールの体勢に入ることも可能でした。

しかし、ラッシュアップディフェンスでは、攻撃側がパスを受けた瞬間に目の前にディフェンダーが迫っています。この強烈なプレッシャーの中で、冷静にボールを落とし、正確なキックを放つことは至難の業です。壁のように迫りくるディフェンスラインの存在が、物理的にドロップゴールを封じているのです。

キッカーに与えられる時間とスペースの減少

ドロップゴールを蹴るためには、スタンドオフは通常よりも深い位置(ポケットと呼ばれるスペース)にポジションを取る必要があります。これ自体が、相手ディフェンスに対して「今からキックを蹴りますよ」という合図になってしまいます。

現代の選手たちはフィジカルトレーニングによって俊敏性が増しており、このわずかな予備動作やポジショニングを見逃しません。ドロップゴールの気配を感じ取った瞬間、特定のディフェンダー(チャージャー)が猛烈なスピードでキッカーに詰め寄ります。

かつての名手たちが持っていたような「コンマ数秒の余裕」は、今のフィールドには存在しません。キックをチャージされる(ブロックされる)リスクが非常に高まっているため、確実に得点できる場面でなければ、ドロップゴールを選択することは自殺行為になりかねないのです。

カウンターアタックのリスク管理

ドロップゴールを狙うことには、もう一つの守備的なリスクが潜んでいます。それは、キックが外れたり、チャージされたりした瞬間の「カウンターアタック」です。

ラッシュアップしてくるディフェンスに対してキックを当ててしまったり、中途半端な飛距離で相手のバックスにキャッチされたりすると、こちらの陣形が崩れた状態で相手に攻め込まれることになります。ドロップゴールを狙うために深い位置に立っていたスタンドオフは、即座にディフェンスに参加するのが難しく、大きな穴ができてしまいます。

現代ラグビーでは、攻守の切り替え(トランジション)の瞬間が最も得点が動きやすいと言われています。ドロップゴールの失敗は、単に3点を逃すだけでなく、相手に7点(トライ)を献上するきっかけになりかねません。この「被カウンターリスク」を恐れる心理も、ドロップゴールの減少につながっています。

ルールの解釈変更とアドバンテージの影響

レフリーによるルールの適用や解釈の変化も、試合運びの選択肢に影響を与えています。特に「アドバンテージ」というルールの運用方法が変わってきたことが、間接的にドロップゴールを減らす要因となっています。

長くなったアドバンテージの活用法

「アドバンテージ」とは、相手が反則を犯した際、反則をされた側のチームがボールを持って有利に攻撃できているならば、プレーを止めずに続行させるルールです。近年、レフリーはこのアドバンテージを以前よりも長く、かつ広範囲に見る傾向があります。

特にペナルティ(重い反則)のアドバンテージが出ている場面では、攻撃側は「失敗してもペナルティキックに戻れる」という保険を持った状態でプレーできます。この状況こそが、ドロップゴールを不要にしています。

もしペナルティのアドバンテージを得ているなら、チームはリスクを恐れずにパスを回したり、キックパスでトライを狙ったりする「フリープレー」を選択します。あえてそこでドロップゴール(3点)を狙う必要はありません。攻撃が失敗しても、レフリーが笛を吹いてペナルティ地点に戻り、そこから落ち着いてペナルティゴール(3点)を狙えば良いからです。

ペナルティゴールという確実な選択肢

ペナルティキック(プレースキック)とドロップゴールでは、成功率に雲泥の差があります。ペナルティキックは、ティーを使ってボールを地面に固定し、自分のタイミングで助走をつけて蹴ることができます。一方、ドロップゴールは動いているプレーの中で、バウンドに合わせて蹴らなければなりません。

アドバンテージが出ている状況でドロップゴールを蹴って成功させれば3点ですが、もし外してしまった場合、レフリーが「アドバンテージオーバー(有利な状況が終わった)」と判断していれば、得点は0になり、相手ボールで再開されてしまうリスクすらあります(※レフリーの判断によりますが、通常はキックミスはアドバンテージ解消とみなされることがあります)。

それならば、アドバンテージ中はトライを狙い続け、ダメなら確実性の高いペナルティゴールを選択する。これが現代ラグビーの鉄則となっており、ドロップゴールが入り込む余地を狭めています。

レフリーの傾向とブレイクダウンの攻防

現代のレフリーは、タックル後のボールの奪い合い(ブレイクダウン)における反則を厳格に取る傾向があります。攻撃側がボールを保持して攻め続けていれば、守備側が我慢しきれずにオフサイドやノットロールアウェイなどの反則を犯す確率は非常に高いです。

つまり、無理にドロップゴールで3点を取りに行かなくても、「攻め続けていればいずれペナルティをもらえて3点が取れる」という計算が立ちます。自分たちで難しいキックを蹴るよりも、相手の反則を誘って簡単なキックを得る方が、戦術として賢明であると考えられているのです。

ボール保持を重視する現代ラグビーのスタイル

戦術のトレンドは「キックで陣地を取る」スタイルから、「ボールを保持し続ける(ポゼッション)」スタイルへと変化と回帰を繰り返していますが、トップレベルのチームにおいては「ボールを持っている時間が長いほど勝利に近い」という考え方が根強くあります。

ポゼッションラグビーへのパラダイムシフト

かつては「敵陣でプレーすること(テリトリー)」が最優先され、自陣からはとにかくキックで脱出するという戦術が主流でした。しかし、ニュージーランド代表(オールブラックス)などを中心に、自陣からでもボールをつないで攻めるラグビーが進化してきました。

ドロップゴールを蹴るということは、その瞬間にポゼッション(攻撃権)を手放すことを意味します。入れば3点ですが、入らなければ相手ボールです。現代のコーチングフィロソフィーでは、ボールを簡単に手放すことは「敗北への招待状」と見なされることがあります。

「ボールを持っている限り、相手に得点されることはない」という極端な理論すら存在する現代ラグビーにおいて、自らボールを蹴り出すドロップゴールは、その哲学に反するプレーとなりつつあるのです。

連続攻撃(フェーズ)で崩す楽しみ

現代ラグビーの醍醐味の一つは、10回、20回と続く連続攻撃(フェーズ)です。選手たちはフィットネスレベルを極限まで高め、息が切れるような連続プレーの中でもミスをしないスキルを身につけています。

フェーズを重ねることで、相手ディフェンスの陣形を少しずつ崩し、ミスマッチ(走力の差や体格の差)を作り出します。そうして生まれた一瞬の隙を突いてトライを奪うプロセスが、現代の攻撃システムの基本です。

このプロセスを中断してまでドロップゴールを狙うのは、よほど攻めあぐねている時か、ディフェンスが鉄壁で崩せる見込みがない時に限られます。攻撃の組み立てが洗練された現代では、そのような「手詰まり」の状況自体が減っているとも言えます。

フィジカル強化によるボールキープ力の向上

かつては、タックルを受ければボールを奪われる(ターンオーバーされる)リスクが高かったため、早めにキックで終わらせるという判断が合理的でした。しかし、現代の選手はフィジカルが強く、タックルされても倒れずに味方につないだり、倒れても強固なラックを作ってボールを守り切ったりする能力が飛躍的に向上しています。

この「ボールキープ力」の向上が、攻撃を継続する自信をチームに与えています。「ボールを奪われないなら、トライが取れるまで攻め続ければいい」。この思考が定着した結果、攻撃を打ち切る手段としてのドロップゴールは減少の一途をたどっています。

メモ:かつて南アフリカ代表などは、フィジカルを活かして敵陣深くまで入り、そこから確実にドロップゴールを決める戦術を得意としていましたが、現在では彼らもトライを取り切るスタイルへと進化しています。

それでもドロップゴールが重要な局面とは

ここまで「なぜ減ったのか」を解説してきましたが、ドロップゴールがラグビーから完全に消え去ったわけではありません。むしろ、希少性が高まったからこそ、ここぞという場面での「切り札」としての価値は依然として残っています。

接戦の終盤やトーナメント戦での劇的な一撃

最もドロップゴールが輝くのは、試合終了間際の接戦です。同点、あるいは1〜2点差で負けている場面では、トライ(5点)もペナルティゴール(3点)もドロップゴール(3点)も、逆転という結果においては等価値になります。

特にワールドカップの決勝トーナメントのような「負けたら終わり」の試合では、ボーナスポイントなどは関係ありません。どんな形でもいいから1点でも多く取った方が勝ちなのです。こうした極限のプレッシャーがかかる場面では、相手もペナルティを犯さないように慎重になるため、自らの力でこじ開けるドロップゴールが唯一の解決策になることがあります。

相手の勢いを断ち切るための戦術的利用

試合の流れが悪く、どうしても得点が欲しい時間帯に、あえてドロップゴールを狙うことがあります。これは点数そのものよりも、「確実にスコアボードを動かした」という事実を作ることで、チームに落ち着きを取り戻させ、相手に精神的なダメージを与えるためです。

トライが取れそうで取れない時間が続くと、チーム全体に焦りが生まれます。そこでベテランの司令塔が冷静にドロップゴールを決めて「まずは3点確保」とすることで、試合のリズムをリセットするのです。これは高度なゲームマネジメント能力を持つ選手にしかできない、渋い戦術と言えるでしょう。

ワールドカップなど短期決戦での役割

記憶に新しいところでは、2023年ラグビーワールドカップのイングランド対アルゼンチン戦で、ジョージ・フォード選手が前半だけで3本のドロップゴールを決めたシーンがあります。数的不利になったイングランドが、トライを狙うリスクを避け、ドロップゴールで着実に加点する戦術を徹底したのです。

このように、短期決戦や特殊な状況下(数的不利や悪天候など)では、ドロップゴールは依然として強力なオプションです。普段のリーグ戦では見られなくなったからこそ、大舞台で突然放たれるドロップゴールは、相手にとって予測不能な脅威となります。

【注目】伝説のドロップゴール
2003年ワールドカップ決勝、イングランド対オーストラリア。
延長戦のラストプレーで、ジョニー・ウィルキンソンが利き足ではない右足で決めたドロップゴールは、ラグビー史に残る伝説のシーンとして語り継がれています。

ラグビーのドロップゴールが減った理由のまとめ

まとめ
まとめ

ここまで、現代ラグビーにおいてドロップゴールが減少した理由を解説してきました。主な要因は以下の通りです。

1. 得点システムの変更:トライが5点になり、3点のドロップゴールとの価値の差が広がった。
2. ボーナスポイント制度:4トライ以上でのボーナスポイント獲得を目指すため、トライ狙いが優先される。
3. 守備戦術の進化:ラッシュアップディフェンスにより、キッカーの時間とスペースが消滅した。
4. アドバンテージの活用:ペナルティのアドバンテージ中はトライを狙い、ダメならPGという選択が合理的になった。
5. ポゼッション重視:ボールを保持し続ける戦術が主流となり、攻撃権を手放すキックが敬遠されるようになった。

このように、ドロップゴールの減少は、ラグビーが「よりスピーディーで、より攻撃的で、よりトライが多く生まれるスポーツ」へと進化した結果であると言えます。

しかし、数が減ったからといって、その技術の価値が失われたわけではありません。現代でも、拮抗した試合の勝敗を分けるのは、一瞬の隙を突いた美しいドロップゴールであることは変わりません。次に試合を観戦する際は、「なぜ今ドロップゴールを狙わなかったのか」「この場面なら狙えるのではないか」といった視点で見てみると、ラグビーの奥深い戦術がより楽しめるはずです。

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