ラグビーの試合は、雨でも基本的に開催されることをご存知でしょうか。激しいタックルやスクラムが繰り広げられるラグビーは、雨の中での試合も「泥臭い戦い」として独特の魅力があります。しかし、観客席には屋根がないスタジアムも多く、準備なしで向かうと全身が濡れてしまい、試合どころではなくなってしまう可能性があります。
そこで今回は、ラグビー観戦における雨対策について、初心者の方にもわかりやすく解説します。絶対に持っていくべき必須アイテムから、快適に過ごすための服装選び、そして知っておきたい観戦マナーまでを網羅しました。万全の準備を整えて、雨の日だからこそ見られる熱い試合を楽しみましょう。
ラグビー観戦で雨対策が必要な理由と基本ルール

ラグビー観戦に行く際、なぜ雨対策がこれほどまでに重要視されるのでしょうか。まずはその背景にある、ラグビー特有の観戦ルールやスタジアムの環境について解説します。これを知っておくだけで、準備の心構えが大きく変わります。
スタジアムでは傘の使用が禁止されている
最も重要なルールとして覚えておきたいのが、多くのラグビースタジアムの観客席では「傘の使用が禁止」されているという点です。これには大きく二つの理由があります。一つ目は「後ろの人の視界を遮らないため」です。ラグビー場はすり鉢状になっていますが、傘をさすと後ろの席の人がグラウンドを全く見られなくなってしまいます。
二つ目は「安全確保のため」です。スタジアムの座席は隣との距離が近く、混雑しています。興奮して立ち上がったり動いたりした際に、傘の骨が周囲の人に当たると大変危険です。そのため、雨が降っていても傘は使わず、レインコートやポンチョなどの雨具を着用して観戦するのが鉄則となります。
ラグビーは雨天でも試合が中止にならない
野球などの屋外スポーツでは、雨が降ると試合が中止になることがありますが、ラグビーはよほどの荒天(雷や大型台風など、観客や選手の安全が脅かされるレベル)でない限り、雨でも試合が行われます。これはラグビー発祥の地であるイギリスが雨の多い気候であることが関係しているとも言われています。
そのため、チケットを購入した日が雨予報であっても、基本的には試合は開催されると考えなければなりません。「雨だから中止かな?」と油断せず、「雨の中でどう楽しむか」に思考を切り替えることが大切です。選手たちが雨と泥にまみれて戦う姿は、晴天時とは違った迫力と感動を与えてくれます。
屋根がある席でも濡れる可能性がある
「自分は屋根のある席のチケットだから大丈夫」と思っている方も、注意が必要です。スタジアムの構造によっては、屋根が観客席の一部しか覆っていないことがよくあります。また、完全に屋根の下であっても、風向きによっては雨が横から吹き込んでくることが珍しくありません。
特にラグビーの試合が行われるスタジアムは、風通しが良い場所も多く、風を伴う雨の場合は屋根の下でも濡れてしまうことがあります。屋根付きの席であっても、念のために簡易的な雨具を用意しておくのが安心です。準備をしておけば、急な天候の変化にも慌てずに済みます。
雨のラグビー観戦で絶対に持っていきたい必須アイテム

雨の中での観戦を快適にするためには、適切なグッズの準備が欠かせません。ここでは、これだけは絶対に忘れてはいけない「三種の神器」とも言える必須アイテムを紹介します。これらを揃えるだけで、観戦の質が劇的に向上します。
機能性の高いレインポンチョ
雨具にはセパレートタイプのレインコートもありますが、ラグビー観戦においては「ポンチョ」が圧倒的に便利です。ポンチョは形状にゆとりがあるため、背負っているリュックサックごと身体を覆うことができます。これにより、荷物が濡れるのを防ぐことができるのです。
また、丈の長いポンチョを選べば、座ったときに膝まで覆うことができるため、下半身が濡れるのを防ぐのにも役立ちます。チームの公式グッズとして販売されているポンチョは応援気分も盛り上がりますし、アウトドアブランドのものは防水性能が高く蒸れにくいのでおすすめです。100円ショップのものは薄くて破れやすいため、長時間の観戦にはあまり向きません。
レインポンチョの下にかぶるツバ付きの帽子
意外と忘れがちですが、非常に重要なのが「ツバ付きのキャップ」です。ポンチョのフードをかぶるだけでは、雨が顔に直接当たってしまい、視界が悪くなります。また、風でフードが脱げやすくなるというストレスもあります。
そこで、ポンチョのフードの下にキャップをかぶり、その上からフードをかぶるスタイルをおすすめします。キャップのツバが雨除けとなり、顔に雨がかかるのを防いでくれるため、試合に集中できます。さらに、ツバがフードを固定する役割も果たしてくれるため、風が吹いてもフードがずれにくくなります。これがあるだけで快適さが段違いです。
タオル類は、濡れた体を拭くためだけでなく、防寒対策としても役立ちます。雨に濡れると体温が奪われるため、首元に乾いたタオルを巻くだけでも暖かさを感じることができます。そのため、最低でも2枚、できれば3枚持っていくと安心です。
1枚目は雨を拭く用、2枚目は首に巻く防寒用、3枚目は試合後に使う乾いたタオルとして使い分けます。吸水性の高いマイクロファイバー製のタオルなら、嵩張らずに持ち運べるので便利です。濡れたタオルを持ち帰るためのビニール袋もセットで用意しておきましょう。
荷物を守るための大きなゴミ袋
雨の観戦で「持ってきてよかった!」と多くの人が感じるのが、45リットルや70リットルサイズの大きなゴミ袋です。観客席は雨ざらしになるため、カバンをそのまま床や膝の上に置くとずぶ濡れになってしまいます。カバンの中身まで浸水して財布や着替えが濡れてしまうと悲惨です。
スタジアムに着いたら、まずは持参した大きなゴミ袋の中にカバンや手荷物をすべて入れ、口をしっかりと縛ります。こうすることで、足元に荷物を置いても濡れる心配がありません。非常に安価で効果絶大な対策ですので、必ず2〜3枚、予備も含めて持参するようにしましょう。
快適さを左右する服装と足元の選び方

雨具だけでなく、その下に着る服装や靴選びも重要です。雨の日は気温が下がりやすく、一度濡れてしまうと急速に体温が奪われます。風邪を引かずに最後まで楽しむためのコーディネートのポイントを解説します。
撥水性のあるアウターと重ね着
ポンチョを着るとしても、中の服には気を使う必要があります。袖口や裾から雨が侵入することもあるため、アウターは水を弾きやすいナイロン製やポリエステル製のウインドブレーカーなどが適しています。綿(コットン)素材のパーカーなどは、水を吸うと重くなり、乾きにくいので避けたほうが無難です。
また、雨の日は想像以上に寒くなります。季節にもよりますが、普段より一枚多く着込むか、インナーダウンのような保温性の高いアイテムを中に着る「重ね着(レイヤリング)」で調整できるようにしましょう。暑ければ脱げば良いですが、寒いときに着るものがないと観戦が辛くなってしまいます。
濡れても不快にならないボトムス選び
座って観戦するラグビーでは、太ももや膝に雨が溜まりやすく、ボトムスが最も濡れやすい箇所の一つです。ジーンズやチノパンは濡れると肌に張り付き、冷たくて動きにくくなるためおすすめできません。
理想的なのは、アウトドア用のレインパンツを履くことです。ポンチョと合わせてレインパンツを履けば、下半身の防水は完璧になります。もしレインパンツがない場合は、撥水性のあるシャカシャカした素材のトレーニングパンツや、速乾性の高い登山用パンツなどを選びましょう。女性の場合は、スカートよりもパンツスタイルの方が防寒・防水の面で安心です。
靴は「長靴」か「防水シューズ(ゴアテックス素材など)」の二択です。スニーカーはメッシュ部分からすぐに水が染み込んできて、足先が冷え切ってしまいます。最近ではお洒落なレインブーツも多いため、コーディネートに合わせて選んでみてください。
もし普通のスニーカーで行く場合は、靴用の防水スプレーを事前に入念にかけておき、さらに替えの靴下を必ず持参しましょう。足元が濡れている感覚は集中力を削ぐ一番の原因になります。試合が終わった後に乾いた靴下に履き替えるだけでも、帰りの快適さが全く違います。
あると便利な雨の日のお助けグッズ

必須アイテムに加えて、これらがあるとさらに観戦が快適になる「お助けグッズ」を4つ紹介します。少しの工夫でストレスを減らし、試合観戦により集中できる環境を作りましょう。
スマホを守る防水ケース
試合中の決定的瞬間を撮影したり、ハーフタイムにSNSをチェックしたりと、スマホを使う機会は多いものです。しかし、雨の中でスマホを取り出すのは水没のリスクがあります。そこで役立つのが、首から下げられるタイプの防水スマホケースです。
100円ショップなどでも手に入りますが、タッチ操作に対応しているものを選べば、ケースに入れたまま写真撮影やメッセージの送信が可能です。大切なスマホを守りつつ、思い出もしっかり残せるので、一つ持っておくと非常に重宝します。
お尻の冷えを防ぐ折りたたみクッション
スタジアムの座席はプラスチック製がほとんどで、雨で濡れると非常に冷たくなります。ポンチョを着ていても、長時間座っていると冷気がお尻から伝わってきて、底冷えの原因になります。また、座面が濡れているときは拭くのも一苦労です。
そこでおすすめなのが、アウトドア用の防水折りたたみクッションです。これを敷くだけでお尻が濡れるのを防げるだけでなく、断熱効果で冷えも軽減されます。100円ショップのレジャーシートで代用することも可能ですが、クッション性があるものの方が長時間の観戦でも疲れにくいです。
冷え切った手を温める使い捨てカイロ
雨のラグビー観戦は、まさに寒さとの戦いでもあります。特に手先がかじかむと、スマホの操作もままならず、拍手をするのも辛くなってきます。春先や秋口であっても、雨が降ると冬のような寒さになることがあるため、使い捨てカイロは季節を問わずカバンに忍ばせておきましょう。
おすすめは「貼るタイプ」と「貼らないタイプ」の併用です。貼るタイプはお腹や腰に貼って体幹を温め、貼らないタイプはポケットに入れておき、冷えた指先を温めるのに使います。これがあるだけで、体感温度は大きく変わります。
チケットや小物を守るジップ付き保存袋
紙のチケットを持っている場合、入場時に濡れてふにゃふにゃになってしまったり、バーコードが読み取れなくなったりするトラブルが起きがちです。また、財布やモバイルバッテリーなどの小物も湿気から守りたいものです。
家庭にあるジップロックなどのジップ付き保存袋(フリーザーバッグ)は、簡易的な防水ケースとして非常に優秀です。サイズ違いで数枚持っていけば、チケット用、財布用、小物用と使い分けることができます。透明なので中身が見やすく、取り出しやすいのもメリットです。
試合前後の行動とマナーで気をつけるポイント

雨の日はスタジアム内の動線や環境も普段とは異なります。自分自身が快適に過ごすためだけでなく、周囲の人への配慮も忘れないようにしましょう。ここでは、雨の日ならではの行動のポイントとマナーについて解説します。
余裕を持って早めに会場入りする
雨の日は、入場ゲートでの手荷物検査やチケット確認に普段以上の時間がかかります。傘を畳んだり、雨具を整えたりする人で入り口付近が混雑するためです。キックオフ直前に到着すると、試合開始に間に合わない可能性もあります。
また、屋根のあるコンコースやトイレも非常に混み合います。特にトイレは、雨具を脱ぎ着する手間がかかるため、個室の回転率が悪くなり、長蛇の列ができることが予想されます。余裕を持って会場入りし、トイレや買い物は早めに済ませておくことが、ストレスなく観戦するための秘訣です。
濡れた雨具の扱いに配慮する
ハーフタイムや試合終了後に席を立つ際、濡れたポンチョやレインコートの扱いには十分な注意が必要です。勢いよく立ち上がったり、その場でバサバサと雨具を脱いだりすると、溜まっていた水滴が隣や前の席の人にかかってしまいます。
雨具を脱ぐ際は、水滴を内側に巻き込むように静かに丸めるか、一旦コンコースなどの広い場所へ移動してから脱ぐようにしましょう。また、満員電車のような混雑した帰りの通路では、濡れた雨具が他人の服に触れないよう、脱いでビニール袋に入れて持ち歩くのがマナーです。
ゴミ袋として紹介した45リットルの袋は、ここで濡れた雨具や荷物をまとめて持ち帰る際にも役立ちます。周りの人も同じように雨で大変な思いをしています。お互いが気持ちよく過ごせるよう、少しの気遣いを大切にしましょう。
ラグビー観戦の雨対策まとめ
雨の中でのラグビー観戦は、しっかりとした準備さえあれば、決して辛いものではありません。むしろ、選手たちの気迫をより肌で感じられる、思い出深い体験になるはずです。最後に、今回の記事の要点を振り返ります。
【雨対策の要点チェックリスト】
・傘は使用禁止:スタジアムではポンチョなどの雨具が必須。
・視界確保:ポンチョのフードの下に「ツバ付き帽子」をかぶる。
・荷物の防水:カバンごと入る「大きなゴミ袋」を用意する。
・服装の工夫:撥水アウターと重ね着で、防水と防寒を両立する。
・足元の守り:長靴や防水シューズを選び、替えの靴下を持つ。
・マナー遵守:周囲への水跳ねに注意し、早めの行動を心がける。
天候はどうすることもできませんが、準備は自分でコントロールできます。「雨で最悪だった」という感想になるか、「雨だったけど最高に楽しかった」という感想になるかは、事前の準備次第です。ぜひこの記事を参考にして、雨ニモマケズ、熱いラグビー観戦を楽しんできてください。


