ラグビー界において、今最も目が離せない存在の一人がチェスリン・コルビ選手です。南アフリカ代表としてワールドカップ連覇に貢献し、現在は日本のリーグワンでも活躍する彼のプレーは、見る者すべてを熱狂させます。身長170cm台前半と、大男たちがぶつかり合うラグビーの世界では非常に小柄ですが、その体格差を全く感じさせない爆発的なスピードとステップは異次元の領域です。
この記事では、チェスリン・コルビ(注目選手)のプロフィールや驚異的なプレースタイル、そして日本での活躍について、ラグビー初心者の方にも分かりやすく解説します。なぜ彼がこれほどまでに世界中で愛され、尊敬されているのか、その理由を深掘りしていきましょう。彼のプレーを知れば、ラグビー観戦がもっと楽しくなるはずです。
チェスリン・コルビ(注目選手)が世界最高峰と呼ばれる理由

チェスリン・コルビ選手が世界中のファンや専門家から「世界最高の選手の一人」と称賛されるのには、明確な理由があります。彼は現代ラグビーにおける「体格の壁」を実力で打ち破った象徴的な存在です。ラグビーは激しい接触が伴うスポーツであり、一般的には体が大きくパワーがある選手が有利とされています。しかし、コルビ選手はその常識を鮮やかに覆してきました。
彼の最大の魅力は、一度動き出せば誰にも止められないほどの瞬発力と、相手を翻弄するステップワークにあります。ディフェンスが完璧に囲んだと思っても、彼はわずかな隙間を縫うようにして突破してしまいます。その姿はまるで魔法を見ているかのようで、スタジアムの空気を一瞬で変える力を持っています。ここでは、彼の能力の根幹にある魅力を紐解いていきましょう。
小柄な体格を補って余りある驚異の身体能力
チェスリン・コルビ選手の公称身長は約171cm前後、体重は80kg程度です。一般的な社会人と比べればがっしりしていますが、100kgを超える大男が珍しくないラグビー界では、一際小さく見えます。しかし、ひとたびピッチに立てば、その小柄な体格こそが彼の強力な武器となっていることが分かります。
重心が低いため、相手タックルを外す際のバランス感覚が極めて優れています。また、筋肉の瞬発力が凄まじく、静止状態から一気にトップスピードに乗る加速力は世界トップクラスです。大きな選手が追いつけないほどのスピードで駆け抜ける姿は、まさに「小さな巨人」という言葉がふさわしい圧倒的な存在感を放っています。
彼は単に速いだけでなく、コンタクト(接触)の強さも兼ね備えています。自分より2倍近い体重がある選手にぶつかられても、簡単には倒れません。体幹の強さと、相手の力を受け流す技術が非常に高いため、倒れそうで倒れない粘り強いランニングが可能です。この体格差を物ともしない姿勢が、世界中のファンに勇気を与えています。
相手ディフェンスを無力化する変幻自在のステップ
コルビ選手の代名詞といえば、何と言っても「アンクル・ブレイカー(足首を壊す人)」とも称される鋭いステップです。相手選手がタックルに行こうとした瞬間に、左右どちらに動くか予測不可能な動きを見せ、ディフェンダーのバランスを崩させます。彼と対峙した選手が、誰も触れられないままその場に転倒してしまうシーンも珍しくありません。
このステップの秘密は、足首の柔軟さと、細かく刻むステップのピッチの速さにあります。彼は走るスピードをほとんど落とすことなく、進行方向を急激に変えることができます。これにより、ディフェンス側は的を絞ることができず、後手に回らざるを得なくなります。ラグビーにおいて「1対1でコルビを止めるのは不可能」と言われるゆえんです。
さらに、彼は相手の視線や体の向きを瞬時に読み取る能力に長けています。相手がどちらに体重をかけているかを見極め、その逆を突く判断スピードが異常に速いのです。単なる身体能力だけでなく、ラグビーIQ(知性)の高さが、あの魔法のようなステップを支えていると言えるでしょう。
攻守にわたって貢献するアグレッシブなプレースタイル
コルビ選手は攻撃だけでなく、守備においても非常に高い貢献度を誇ります。小柄な選手は守備で狙われやすいのがラグビーの定石ですが、彼はそれを逆手に取り、鋭い出足で相手にプレッシャーを与えます。自分よりも遥かに大きな相手に対しても、低い姿勢で正確に突き刺さるタックルを連発し、チームのピンチを何度も救ってきました。
また、彼のプレースタイルで特筆すべきは、決して諦めない献身性です。自分がボールを持っていない時でも、味方のサポートに走り回り、相手のキックに対して猛然とチェイス(追いかけること)を行います。2023年のワールドカップでも、相手のコンバージョンキック(ゴールキック)を猛ダッシュで阻止するという、執念のプレーで世界を驚かせました。
このような泥臭いプレーを厭わない姿勢が、チームメイトからの絶大な信頼に繋がっています。華やかなトライを決めるスター選手でありながら、チームのために体を張る。そのフォア・ザ・チームの精神こそが、チェスリン・コルビという選手が特別視される大きな理由の一つです。
【チェスリン・コルビ選手の基本プロフィール】
・生年月日:1993年10月28日
・出身地:南アフリカ共和国・ケープタウン
・主なポジション:ウイング(WTB)、フルバック(FB)
・主な経歴:ストーマーズ、トゥールーズ、トゥーロンを経て現在は東京サントリーサンゴリアス所属
南アフリカ代表「スプリングボクス」での輝かしい実績

チェスリン・コルビ選手は、南アフリカ代表(愛称:スプリングボクス)の黄金期を支える中心人物です。南アフリカは世界屈指のラグビー強豪国であり、伝統的に「フィジカル(肉体の強さ)」を前面に押し出すスタイルを得意としています。その中で、小柄なスピードスターであるコルビ選手が加わったことで、チームの攻撃戦術はより多角的で破壊的なものへと進化しました。
彼は代表チームにおいて、単なるレギュラーの一人ではなく、試合の流れを決定づける「ビッグゲーム・プレーヤー」として知られています。ここぞという場面で必ず仕事を完遂する精神的な強さは、並大抵のものではありません。代表キャップ(出場試合数)を重ねるごとに、その存在感は増すばかりです。ここでは、彼が代表チームで残してきた伝説的な足跡を見ていきましょう。
2019年ラグビーワールドカップ決勝での伝説的トライ
日本のラグビーファンにとって最も印象深いのは、2019年に日本で開催されたワールドカップ決勝でのプレーではないでしょうか。横浜国際総合競技場で行われたイングランド対南アフリカの決勝戦。試合終盤、コルビ選手は右サイドでパスを受けると、対峙したイングランドのキャプテン、オーウェン・ファレル選手を鋭いステップで抜き去りました。
そのままディフェンスを振り切り、インゴールへと飛び込んだそのトライは、南アフリカの優勝を決定づける決定打となりました。あの瞬間のスタジアムの熱狂は、今でも多くのファンの記憶に刻まれています。このプレーにより、彼は名実ともに世界のトップスターへと上り詰めました。このトライは、彼のスピード、スキル、勝負強さのすべてが凝縮された場面でした。
この大会でのコルビ選手の活躍は、日本国内でのラグビーブームを加速させる大きな要因となりました。「あんなに小さな選手が、あんなに凄いプレーをするのか」という驚きは、子供たちやラグビーを始めたばかりの人々に大きな希望を与えたのです。彼は一大会を通じて、世界中にラグビーの醍醐味を伝えました。
2023年大会での連覇達成と献身的な働き
2019年大会に続き、2023年にフランスで開催されたワールドカップでも、コルビ選手はスプリングボクスの主力として大活躍しました。この大会で南アフリカは見事に連覇を果たしましたが、決勝までの道のりは険しいものでした。準々決勝のフランス戦、準決勝のイングランド戦と、1点差を争う極限の戦いが続く中、コルビ選手は常にピッチ上で鼓舞し続けました。
この大会で彼が特に注目を集めたのは、先述したキックチャージのシーンです。準々決勝のフランス戦において、相手キッカーが蹴る直前に自陣から猛ダッシュし、キックをブロックするという奇跡的なプレーを見せました。ラグビーのルール上、キッカーが動作を始めたら走って良いことになっていますが、あれほどの距離を詰めてブロックに成功するのは前代未聞です。
このプレーは、彼の身体能力だけでなく、勝利への飽くなき執念を象徴するものでした。トライを奪うことだけでなく、相手の1点を防ぐために命懸けで走る。その姿勢が、接戦を勝ち抜くチームの大きな力となりました。2大会連続で世界一の座に就いた背景には、間違いなく彼の献身的なハードワークがありました。
チームメイトからも信頼される絶対的な存在感
スプリングボクスのメンバーは、個性豊かで強力な選手ばかりですが、誰もがコルビ選手を特別な存在として認めています。キャプテンのシヤ・コリシ選手をはじめ、チームメイトたちは「チェスリンがいれば何かが起きる」と口を揃えます。彼がボールを持った瞬間にスタジアムがざわつき、味方の士気が上がる現象は、今のラグビー界でも彼にしか起こせません。
また、彼は技術だけでなく、その謙虚な人格でも知られています。世界的なスターでありながら、常にチームの勝利を第一に考え、練習から一切の手抜きをしません。若手選手に対しても気さくにアドバイスを送り、チームの結束力を高める役割も担っています。このような人間性が、多国籍な文化が混ざり合う南アフリカ代表を一つにまとめる大きな力となっています。
ラグビーは一人のスターだけでは勝てないスポーツですが、一人のスターがチームを鼓舞し、限界以上の力を引き出すことはあります。コルビ選手はまさにそのような存在であり、彼がいるだけで敵チームにとっては大きな脅威となり、味方にとっては最高に頼もしい相棒となります。彼の信頼の厚さは、数字以上の価値をチームにもたらしています。
南アフリカ代表「スプリングボクス」は、その圧倒的なパワーから「フィジカルモンスター」と恐れられますが、コルビ選手という「技巧派スピードスター」が加わることで、世界最強の矛と盾を完成させています。
日本のリーグワン「東京サントリーサンゴリアス」での活躍

世界中のクラブチームが獲得を熱望したチェスリン・コルビ選手ですが、彼が次の舞台として選んだのは、日本の「NTTジャパンラグビー リーグワン」でした。2023-24シーズンから東京サントリーサンゴリアスに加入したというニュースは、日本のラグビー界に大きな衝撃を与えました。ワールドカップ現役王者のスター選手が日本でプレーすることは、リーグ全体のレベルと価値を引き上げる歴史的な出来事です。
サンゴリアスは伝統的に「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」を掲げ、攻撃的なスタイルを特徴とするチームです。この哲学は、コルビ選手のプレースタイルと完璧に合致しています。日本でのデビュー以来、彼は期待通りのパフォーマンスを見せ、多くのファンを魅了し続けています。ここでは、日本での彼の歩みに焦点を当ててみましょう。
世界最高峰のスターが日本を選んだ背景
コルビ選手が日本でのプレーを決断した理由は、単なる契約条件だけではありません。彼は以前から日本の文化や、ラグビーに対するファンの熱量に深い敬意を持っていました。2019年ワールドカップでの経験が、彼にとって日本を特別な場所に変えたと言われています。また、家族との時間を大切にする彼にとって、日本の安全で落ち着いた環境も魅力の一つだったようです。
さらに、日本のリーグワンのレベル向上も大きな要因です。現在、リーグワンにはニュージーランドやオーストラリアなどの各国代表スターが集まっており、世界でも有数の競争力を誇るリーグへと進化しています。コルビ選手は、新しい挑戦として日本を選び、自らのキャリアをさらに高めようとしています。彼の加入は、リーグワンが世界基準のリーグであることの証明でもあります。
サンゴリアスというチームを選んだ点についても、彼のこだわりが感じられます。スピーディーな展開を好むサンゴリアスの戦術は、彼のステップやスピードを最大限に活かせる環境です。自分自身の良さを最も発揮でき、かつ刺激的なラグビーができる場所として、東京のチームを選んだのは必然だったのかもしれません。
サンゴリアスでの驚異的なパフォーマンス
シーズンが開幕すると、コルビ選手はすぐにチームの核として機能し始めました。初めて日本のピッチに立った試合から、彼は格の違いを見せつけました。狭いスペースを独走するトライや、ピンチを救うタックルなど、ワールドカップで見せたあの輝きを日本のファンは目の前で見ることができたのです。彼のプレー一つひとつに、スタンドからは大きなどよめきと歓声が上がります。
特筆すべきは、彼のプレーが周囲の日本人選手にも好影響を与えていることです。コルビ選手のような世界トップの選手と一緒にプレーすることで、若手選手たちの意識や技術レベルが飛躍的に向上しています。彼は単に自分が目立つだけでなく、味方を活かすパスやポジショニングも絶妙です。チームの攻撃にリズムを与え、得点力を大幅に底上げする役割を果たしています。
また、彼はキッカーとしての能力も披露しています。サンゴリアスではゴールキックを任される場面もあり、正確なキックで着実に加点します。ウイングというポジションでありながら、多才なスキルを持つ彼は、相手チームにとってどこからでも脅威となる存在です。彼の加入によって、サンゴリアスのラグビーはより立体的で予測不能なものへと進化を遂げました。
日本のファンを魅了するピッチ外での真摯な振る舞い
コルビ選手の魅力は、試合中のプレーだけに留まりません。彼はファンサービスを非常に大切にする選手としても知られています。試合終了後、どれほど疲れていても最後まで残り、ファンのサインや写真撮影に応じる姿が頻繁に見られます。子供たちに対しては特に優しく、彼のサインをもらった少年少女が未来のラグビー選手を志すきっかけにもなっています。
日本の文化を尊重し、日本語を学ぼうとする姿勢もファンの心を掴んでいます。SNSなどで日本での生活を楽しんでいる様子を発信することもあり、ピッチ上の厳しい表情とは異なる、穏やかでフレンドリーな一面も人気です。こうした誠実で謙虚なキャラクターがあるからこそ、彼は国籍を問わず多くの人から愛される「注目選手」なのです。
また、彼のプロフェッショナルな態度は、チームの練習場でも手本となっています。準備の徹底、体調管理、分析への取り組みなど、世界一を経験した選手の「日常」を共有できることは、サンゴリアスのメンバーにとって計り知れない財産となっています。コルビ選手は、日本ラグビー界全体の財産として、その価値を遺憾なく発揮しています。
コルビ選手の凄さを支える独自のテクニックと特徴

チェスリン・コルビ選手のプレーを詳しく見ていくと、単なる「足の速い選手」という枠には収まらない、高度な技術の積み重ねがあることが分かります。彼のプレーは、緻密な計算と、長年のトレーニングによって培われた感覚の融合です。ラグビーをより深く理解するために、彼の技術的な特徴をいくつか掘り下げてみましょう。
彼はボールを持って走る時、常に複数の選択肢を頭の中に持っていると言われます。ステップで抜くのか、パスを出すのか、あるいはキックを使って裏を狙うのか。その瞬時の判断力が、相手ディフェンスを混乱に陥れます。ここでは、彼の代表的なスキルである「スピード」「空中戦」「多才さ」について詳しく解説します。
爆発的な加速力を生み出すランニングフォーム
コルビ選手の加速力は、ラグビー界でも随一です。特筆すべきは、トップスピードに達するまでの歩数の少なさと、地面を蹴る力の強さです。彼は非常に短い距離で時速30kmを優に超えるスピードに到達します。この瞬発力があるため、ディフェンスが一瞬でも視線を外したり、足が止まったりした瞬間に、彼はもうその横を通り過ぎています。
また、彼のランニングフォームは非常に効率的です。上半身の無駄な揺れが少なく、パワーがすべて推進力に変換されています。さらに、ステップを踏む際も重心を崩さないため、急激な方向転換をした直後でも、再び元のスピードにすぐ戻ることができます。この「切り返しの速さ」こそが、追走する選手を置き去りにする最大の要因です。
彼は相手との間合い(距離感)を測る天才でもあります。あえて相手に近づき、タックルに来るよう誘っておいてから、直前で加速して外します。この「食いつかせてから剥がす」という駆け引きは、自信に満ちたスピードがあるからこそ成せる技です。彼の走りは、まさに計算し尽くされた芸術作品のような美しさを持っています。
卓越した空中戦で見せるハイボールキャッチ
ラグビーでは、高く蹴り上げられたボール(ハイボール)を空中で競り合う場面が多くあります。身長の低いコルビ選手にとって、この空中戦は不利に思われがちですが、実際には彼の得意分野の一つです。彼は驚異的なジャンプ力を持ち、自分よりもずっと背の高い選手を相手にしても、空中でボールを奪い取ることがよくあります。
その秘密は、落下地点を予測する能力と、跳躍のタイミングの正確さにあります。彼はボールの軌道を瞬時に読み取り、最も高い打点でキャッチできるよう、最高のタイミングで踏み切ります。空中で体を制御する能力も高く、相手と激しく接触してもボールを離しません。この「空中戦の強さ」は、チームにとって非常に大きな安心感を与えています。
ハイボールキャッチを確実にこなすことは、現代ラグビーにおいて極めて重要な要素です。捕球に失敗すれば相手にチャンスを与えてしまいますが、コルビ選手のように確実に捕球し、さらにそこからカウンターアタック(反撃)に繋げられる選手がいることは、チームの戦術に大きな幅をもたらします。彼のキャッチングスキルは、正に世界最高水準です。
意外なキック精度と戦況を見極める判断力
コルビ選手は走るだけでなく、キックの技術も非常に高いものを持っています。サイドライン際から裏のスペースを狙うショートキックや、正確なプレースキック(止まった状態から蹴るキック)など、場面に応じた使い分けが可能です。もともとセブンズ(7人制ラグビー)を経験していたこともあり、足元のボール扱いは非常に繊細です。
特筆すべきは、キックを蹴るか走るかの判断の鋭さです。相手ディフェンスが前に出てきていると見れば、背後のスペースへ鮮やかなキックを落とし、自ら追いかけて再獲得します。逆に、相手がキックを警戒して下がっていれば、そのままランニングで勝負します。この「二段構えの攻撃」があるため、ディフェンス側は常に二択、三択を迫られることになります。
さらに、彼はドロップゴール(プレー中に地面にボールをバウンドさせて蹴るゴール)を決めることもあります。2023年大会でも重要な場面でドロップゴールを狙うなど、ウイングという枠を超えたプレーメイカーとしての側面も持っています。彼の多才さは、単なるスピードスターという言葉では片付けられない、深みのある選手であることを示しています。
| スキルの種類 | 特徴と凄さ |
|---|---|
| ステップワーク | 相手の重心を崩し、触れさせずに抜き去る技術 |
| 加速力 | 数歩でトップスピードに乗る世界屈指の瞬発力 |
| ハイボール対応 | 長身選手に競り勝つ驚異的なジャンプ力と安定感 |
| タックル | 小柄な体格を活かした低く鋭いディフェンス |
| キック精度 | ゴールキックも任せられる正確な足元の技術 |
チェスリン・コルビのプロフィールと興味深いエピソード

チェスリン・コルビ選手の生い立ちやキャリアの背景を知ると、彼のプレーがなぜこれほどまでに情熱的なのかが見えてきます。南アフリカというラグビー大国に生まれ、厳しい競争を勝ち抜いてきた彼の人生は、努力と信念の連続でした。また、彼の親族には他のスポーツで成功を収めた人物もおり、優れた身体能力は血筋であることも伺えます。
彼はラグビー選手としてだけでなく、一人の人間としても多くのエピソードを持っています。家族を愛し、故郷を想い、そしてどんな困難な状況でもポジティブに挑戦し続ける姿勢。ここでは、ファンなら知っておきたい彼の素顔や、キャリアの裏側にある物語をいくつかご紹介しましょう。
従兄弟はオリンピック金メダリストの快足ランナー
驚くべきことに、チェスリン・コルビ選手の従兄弟は、陸上競技の400メートル世界記録保持者であり、リオデジャネイロオリンピックの金メダリストであるウェイド・ファン・ニーケルク選手です。二人は非常に仲が良く、互いに刺激し合う存在だと言われています。世界最速の血筋が、ラグビー界と陸上界の両方で頂点に君臨しているのです。
コルビ選手自身も、ラグビーをしていなければ短距離走の選手として成功していたのではないかと言われるほどのスピードを持っています。親戚同士で高め合い、世界の舞台で活躍する彼らの姿は、南アフリカの国民にとっても大きな誇りです。コルビ選手の走りに感じられる爆発的なリズムやバネのような動きは、まさに世界レベルのアスリート一家ならではの天賦の才と言えるでしょう。
しかし、彼は才能に溺れることなく、常にラグビーのための体作りに励んできました。陸上競技のスピードをいかにラグビーのコンタクト(接触)がある中で活かすか。そのための研究とトレーニングを欠かさないストイックな一面が、今の彼を作っています。才能と努力が最高の形で融合した結果が、ピッチ上でのあの輝きなのです。
セブンズ(7人制ラグビー)で磨かれた究極のスキル
コルビ選手は、15人制ラグビーで頭角を現す前に、7人制ラグビー(セブンズ)の南アフリカ代表として活躍していました。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、南アフリカ代表として銅メダルを獲得しています。セブンズは15人制と同じ広さのピッチをわずか7人で守るため、一人ひとりのスペースが広く、極限のスピードとスタミナ、そして1対1のスキルが求められます。
このセブンズでの経験が、彼のプレースタイルの基礎を作りました。広いスペースで相手を抜き去る技術や、最後まで走り切るフィットネス(体力)は、セブンズの舞台で磨かれたものです。また、セブンズは常に素早い判断が求められるため、彼の高い状況判断能力もこの時期に養われました。15人制に転向した後も、彼はセブンズで学んだ「個で局面を打開する力」を存分に発揮しています。
多くのラグビー選手が、15人制からセブンズ、あるいはその逆の転向に苦労しますが、コルビ選手はその両方で見事な適応を見せました。現在、彼が15人制の密集したディフェンスの中でもスイスイと抜けていけるのは、セブンズで培った究極の1対1の技術があるからです。彼のプレーを支えるルーツは、このオリンピック・メダリストとしての経験にあるのです。
怪我や批判を乗り越えて進化した精神的な強さ
今でこそ世界最高の選手と称えられるコルビ選手ですが、キャリアの初期には「体が小さすぎる」という批判に晒されたこともありました。南アフリカの厳しい環境の中で、体格が不利とされる彼は、正当な評価を得るために人一倍の努力を必要としました。しかし、彼はその声を実力で黙らせ、自分のスタイルを貫き通しました。
また、キャリアの中では何度か大きな怪我にも見舞われています。激しい接触を伴うポジション柄、怪我のリスクは常に付きまといますが、彼はそのたびに以前よりも強くなって戻ってきました。リハビリ期間中も腐ることなく、自分のプレーを分析し、肉体を強化し続ける精神力は驚異的です。彼は「逆境を成長の機会に変える」ことができる真のアスリートです。
このような苦労を経験しているからこそ、彼は周囲への感謝を忘れません。どんなに成功しても傲慢にならず、常に初心を忘れない謙虚な姿勢が、彼の人間的な深みを作り上げています。怪我を乗り越えてさらに鋭くなった彼のステップは、彼の不屈の精神そのものを表しているかのようです。多くのファンが彼に共感し、応援したくなるのは、この人間ドラマがあるからです。
【チェスリン・コルビ選手の名言・エピソード】
「サイズは関係ない。心(ハート)の大きさがすべてだ」
この言葉通り、彼は自分よりも大きな選手に立ち向かう時、常に強い意志を持ってプレーしています。彼の存在自体が、ラグビーにおいて体格がすべてではないことを証明し続けています。
チェスリン・コルビ(注目選手)を応援するためのポイントまとめ
ここまでチェスリン・コルビ選手の魅力について多角的に解説してきましたが、彼がなぜ「注目選手」としてこれほどまでに高い評価を受けているのか、改めてその凄さを実感していただけたのではないでしょうか。小柄な体格を言い訳にせず、むしろそれを最大の武器に変えてしまった彼のプレーは、ラグビーの概念そのものをアップデートしたと言っても過言ではありません。
南アフリカ代表としての栄光、フランスのクラブチームでの活躍、そして今、私たちの目の前にある日本のリーグワンでの輝き。コルビ選手のキャリアは、常に新しい挑戦と驚きに満ちています。彼のプレーをスタジアムやテレビで観戦する際は、ぜひ以下のポイントに注目してみてください。彼の本当の凄さが、より鮮明に見えてくるはずです。
まず第一に、ボールを持っていない時の彼の動きです。味方のサポートに回り、常にチャンスを伺っている彼の献身性は、ラグビーの基本にして真髄です。第二に、相手ディフェンダーと対峙した瞬間のステップです。どちらに抜けるのか、キックを使うのか、その一瞬の駆け引きは世界最高峰の心理戦でもあります。そして第三に、彼の笑顔とファンへの対応です。一流の技術と一流の人間性が同居していることこそが、彼の最大の魅力です。
日本で彼のプレーをリアルタイムで見られる現在は、日本のラグビーファンにとって非常に幸運な時期です。東京サントリーサンゴリアスの黄色いジャージーを身にまとい、縦横無尽にピッチを駆け巡るチェスリン・コルビ選手。これからも、彼の魔法のようなプレーが日本のラグビー界をさらに熱く盛り上げてくれることは間違いありません。これからもこの「小さな巨人」から目を離さず、熱い声援を送り続けていきましょう。



