オフサイドの正式名称とは?ラグビーのルールをやさしく解説

オフサイドの正式名称とは?ラグビーのルールをやさしく解説
オフサイドの正式名称とは?ラグビーのルールをやさしく解説
ルール・用語・反則

ラグビーの試合を見ていると、頻繁に耳にする「オフサイド」という言葉。「選手が前に出すぎたのかな?」なんとなく反則のイメージはあっても、その詳しいルールや正式名称まで知っている方は少ないかもしれません。「もしかして、もっと長い正式な名前があるの?」「種類によって呼び方が違うの?」そんな疑問を持つ方のために、今回はラグビーのオフサイドについて、その名称の真実から種類の違いまで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

実は、オフサイドには状況に応じた細かい分類や、過去に使われていた名称など、知れば知るほど面白いルールがたくさんあります。これらを理解するだけで、ラグビー観戦がぐっと楽しくなるはずです。専門用語も噛み砕いてお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

ラグビーの「オフサイド」正式名称と定義

まずは、皆さんが最も気になっている「正式名称」について、ズバリお答えします。実は、ラグビーにおけるこの反則の正式名称は、そのまま「オフサイド(Offside)」です。「えっ、それだけ?」と思われるかもしれませんが、競技規則(ルールブック)にも、この名称で記載されています。

基本的には「オフサイド」が正式名称

ラグビーのルールブックである「ワールドラグビー競技規則」において、この反則は「第10条 オフサイドとオンサイド」という項目で定義されています。サッカーのように「オフサイドトラップ」といった戦術名はあっても、反則自体の正式名称として、これ以上に長く複雑な名前があるわけではありません。シンプルに「オフサイド」という言葉自体が、正式なルール用語として機能しているのです。テレビ中継やスタジアムのアナウンスでも、単に「オフサイド」とコールされるのが一般的です。

英語表記と「Off side」の意味

英語では「Offside」と表記されます。この言葉の語源には諸説ありますが、「Off the side(側の外へ)」という意味合いが含まれていると言われています。かつてイギリスの軍隊などで使われていた「味方の列(サイド)から離れてしまった状態」を指す言葉が由来という説もあります。つまり、チームとしての戦列から離れ、自分勝手な位置にいることでプレー資格を失っている状態を表しているのです。この「プレー資格がない」という概念が、ラグビーのオフサイドを理解する上で最も重要なポイントになります。

状況によって使い分けられる分類名

「正式名称はオフサイド」とお伝えしましたが、実際の試合や解説では、より状況を明確にするために細かい分類名で呼ばれることがあります。例えば、一般的なプレー中の反則を指す「オープンプレーにおけるオフサイド」や、密集戦での「ラックのオフサイド」などがそれに当たります。これらは別の反則名というわけではなく、「どのような状況で起こったオフサイドか」を説明するための便宜上の呼び分けと考えて良いでしょう。しかし、これらの分類を知っておくと、なぜ反則を取られたのかがクリアに分かるようになります。

状況で呼び名が変わる?主なオフサイドの種類

一口にオフサイドと言っても、ラグビーでは試合中のあらゆる場面でこの反則が発生します。ボールが動いている時、選手が密集している時、キックを蹴った時など、それぞれのシチュエーションによって、気をつけなければならないポイントが異なります。ここでは代表的な種類を紹介します。

オープンプレーにおけるオフサイド

これが最も基本的なオフサイドです。スクラムやラインアウトなどのセットプレーではなく、パスやランでボールが動いている状態(オープンプレー)で起こります。ラグビーの大原則は「ボールより前でプレーしてはいけない」ということです。ボールを持っている味方より前にいる選手は、プレーに参加する資格がありません。この状態でパスを受けたり、相手を邪魔したりすると、オフサイドになります。意図せず前に残ってしまった選手は、プレーに関与しない姿勢を見せれば反則を取られないこともあります。

ラックやモールでのオフサイド

試合中に選手たちが体をぶつけ合って塊を作る「ラック」や「モール」。この密集戦にもオフサイドのルールがあります。ここでは、ボールそのものの位置ではなく、密集の「最後尾」が基準になります。密集に参加していない選手は、味方の最後尾の選手の足よりも後ろにいなければなりません。ついつい相手にプレッシャーをかけたくて前に出すぎてしまうと、レフリーに笛を吹かれてしまいます。観戦中は、密集の真横に見えない線が引かれていると想像してみてください。

セットプレー(スクラム・ラインアウト)でのオフサイド

試合再開の起点となるスクラムやラインアウトでも、厳密なオフサイドラインが設定されています。スクラムの場合、スクラムに参加していないバックスの選手たちは、スクラムの最後尾(通常はナンバーエイトというポジションの足元)からさらに5メートル下がった位置にいなければなりません。これを「5メートルオフサイド」と呼ぶこともあります。ラインアウトの場合は、ラインアウトの列から10メートル下がることが義務付けられています。これらの距離を守らずに飛び出すと、即座にオフサイドとなります。

10メートル規則(旧10メートルサークルオフサイド)

以前は「10メートルサークルオフサイド」という名称で親しまれていたルールですが、現在は「10メートル規則」という呼び方が一般的です。これは、味方がボールをキックした際に適用される特別なルールです。キックした地点で、ボールの落下地点から10メートル以内の範囲にいる味方選手(オフサイドの位置にいる選手)は、プレーに参加できないだけでなく、相手から10メートル離れるまで下がらなければなりません。単にその場で止まっているだけでは反則になる厳しいルールです。

初心者がまず覚えるべき「オフサイドライン」の基本

オフサイドを理解するための最大の鍵は、「オフサイドライン」という目に見えない線をイメージできるようになることです。このラインより自分たちの陣地側(オンサイド)にいればプレー可能、敵陣側(オフサイド)にいればプレー不可となります。このラインは、ボールの動きとともに常に移動し続けます。

味方の後ろにいればOKという大原則

一番シンプルな覚え方は、「常にボール(またはボールを持っている味方)より後ろにいれば大丈夫」という法則です。ラグビーは陣取り合戦の側面がありますが、ボールより前で待ち伏せすることは許されません。攻撃中は、ボールが進むにつれてオフサイドラインも前へ移動します。逆に守備側は、相手に押し込まれれば下がらなければなりませんが、常に自分たちのオフサイドラインを守ってディフェンスラインを整える必要があります。この「線の押し合い」こそがラグビーの醍醐味です。

ボールより前にいるとプレーできない理由

なぜボールより前にいてはいけないのでしょうか?それは、ラグビーが「全員でボールを前に運ぶ」スポーツだからです。もし前での待ち伏せが許されたら、足の速い選手を敵陣深くに配置して、ロングパスを放るだけの単調なゲームになってしまいます。オフサイドのルールがあるからこそ、フィジカルを活かした突破や、巧みなパス回しといった戦術が生まれるのです。「卑怯な待ち伏せは禁止」という精神が、このルールの根底にはあります。

「ゲート」とオフサイドラインの関係

タックルが起きた直後のプレーでは、「ゲート」という概念が登場します。倒れた選手たちの周りには、長方形の門(ゲート)があると想定されます。次のプレーに参加してボールを奪いに行こうとする選手は、必ず自分の陣地側のゲート、つまり「後ろ」から正々堂々と入らなければなりません。横から入ったり、相手側から回り込んだりするとオフサイドや別の反則を取られます。この「ゲートを通る」という動きも、オフサイドラインを守るための重要な約束事の一つです。

ペナルティだけじゃない?「アクシデンタル・オフサイド」

通常のオフサイドは「ペナルティ」という重い反則になり、相手にペナルティキックが与えられます。しかし、中には少し扱いが異なる「アクシデンタル・オフサイド」というものがあります。名称に「アクシデンタル(偶発的な)」とある通り、これは意図しない事故のようなケースに適用されます。

味方にぶつかってしまった場合のルール

ボールを持った選手が前に進もうとしたとき、誤って自分の前方にいた味方選手にぶつかってしまうことがあります。あるいは、キックしたボールが、たまたま前にいた味方に当たってしまうケースです。これが「アクシデンタル・オフサイド」です。前にいた選手はプレーに関与するつもりはなかったけれど、結果的に味方の前進を助けたり、相手の邪魔になったりしてしまった場合に取られます。

ペナルティではなくスクラムで再開

通常のオフサイドは重い反則ですが、アクシデンタル・オフサイドは「故意ではない」と判断されるため、比較的軽い処分で済みます。具体的には、ペナルティキックではなく、相手ボールの「スクラム」から試合が再開されます。これは守備側にとって「反則によるボーナス(ペナルティキック)」ほどではありませんが、攻撃権が移るため有利な状況には変わりありません。レフリーも「アクシデンタル!」と声をかけ、意図的でなかったことを伝えるジェスチャーをすることがあります。

判定のポイントは「利益を得たか」

単に味方に当たったからといって、すべてが反則になるわけではありません。重要なのは「その接触によって、反則をしたチームが利益を得たかどうか」です。例えば、味方にぶつかったことで相手のタックルを避けることができたり、ボールが有利な方向に転がったりした場合に反則が取られます。逆に、ぶつかったことで自分たちが不利になったり、プレーの流れに全く影響がなかったりすれば、レフリーはそのままプレーを続行させる(プレーオン)こともあります。

レフリーのジェスチャーと観戦時の楽しみ方

オフサイドは目に見えないラインに関する反則なので、観客席やテレビ画面からは分かりにくいこともあります。そんな時に頼りになるのが、レフリーのジェスチャー(シグナル)です。審判の動きに注目することで、今何が起きたのかを瞬時に理解できるようになります。

レフリーが腕を横に伸ばすサイン

レフリーが笛を吹いた後、片方の腕を真横に水平に伸ばすポーズをとったら、それは「ペナルティ」の合図です。オフサイドはペナルティに含まれるため、このジェスチャーが基本となります。さらに詳しく見ると、レフリーはオフサイドがあった地点を指差したり、手の甲を後ろ払うような動きで「ラインを超えていた」ことを示したりします。特に、副審(タッチジャッジ)が旗を持ってフィールドに入ってきた場合は、オフサイドを知らせている可能性が高いです。

ペナルティキックの選択肢

オフサイドの反則をもらったチーム(反則をされた側)には、いくつかの再開方法の選択肢が与えられます。ここがラグビーの面白いところです。ゴールポストを狙って「ペナルティゴール(3点)」を狙うこともできますし、ボールをタッチラインの外に蹴り出して「マイボールラインアウト」として攻め込むことも可能です。また、その場でスクラムを選択したり、チョンと蹴ってすぐに攻め込む「クイックスタート」を選んだりすることも。点差や残り時間を考えた、キャプテンの判断が見どころです。

アドバンテージが適用されるケース

オフサイドが起こっても、すぐには笛が鳴らないことがあります。これは「アドバンテージ」を見ている状態です。反則をされた側のチームがボールを持ち続け、チャンスが続いているなら、レフリーはプレーを止めずに様子を見ます。もしその攻撃が失敗したら、時間を巻き戻してオフサイドの反則をとります。逆に、そのままトライに繋がれば反則は帳消しになります。レフリーが腕を横に出したまま走っている時は「反則があったけど、チャンスだから続けて!」というサインなので、注目してみましょう。

まとめ

まとめ
まとめ

今回は、ラグビーの「オフサイド」について、正式名称や種類の違いを中心に解説しました。ここまでの要点を振り返ってみましょう。

  • 正式名称は「オフサイド」:特別な長い名前はなく、ルールブックでもこの名称です。
  • 状況による分類がある:「オープンプレー」「ラック」「10メートル規則」など、場面によって呼び分けられることがあります。
  • 基本は「ボールより前」:ボールや味方の最後尾よりも前でプレーに関与すると反則になります。
  • アクシデンタル・オフサイド:偶然の接触による軽い反則で、スクラムでの再開となります。

「オフサイド」という言葉一つとっても、そこには公平にプレーするための工夫や、歴史的な背景が詰まっています。次にラグビーを見る時は、目に見えない「オフサイドライン」を想像しながら観戦してみてください。選手たちの駆け引きがよりリアルに感じられ、ラグビーの奥深さを楽しめるはずです。

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