ハカの歌詞をカタカナで完全解説!意味やオールブラックスの歴史も紹介

ハカの歌詞をカタカナで完全解説!意味やオールブラックスの歴史も紹介
ハカの歌詞をカタカナで完全解説!意味やオールブラックスの歴史も紹介
観戦・歴史・文化

ラグビーの国際試合で、試合開始直前に会場の空気が一変する瞬間があります。それは、ニュージーランド代表「オールブラックス」によるハカ(Haka)の時間です。選手たちが叫ぶ力強い言葉、一糸乱れぬ動き、そしてほとばしる情熱。テレビやスタジアムでその姿を見て、「なんて言っているんだろう?」「一緒に歌えたらもっと楽しそう!」と思ったことはありませんか?

この記事では、ハカの歌詞とカタカナの読み方を、もっとも有名な「カ・マテ」と、ここぞという大一番で披露される「カパ・オ・パンゴ」の2種類に分けて詳しくご紹介します。さらに、ハカに込められた深い意味や歴史、他の国のウォークライについてもやさしく解説します。次の試合では、ぜひ選手たちと一緒に魂を震わせてみてください。

【ハカ 歌詞 カタカナ】定番「カ・マテ」を一緒に歌おう

まずは、もっとも頻繁に披露される伝統的なハカ、「カ・マテ(Ka Mate)」から見ていきましょう。このハカは、古くから伝わるマオリ族の歌で、ラグビーファンなら一度は耳にしたことがあるはずです。

リード役(リーダー)による導入パート

ハカは、チーム全体がいきなり叫び出すわけではありません。まずは一人のリーダー(リード役)が、チームメイトに「準備はいいか!」「気合いを入れろ!」と号令をかけるところから始まります。

リード役を務める選手は、マオリの血を引く選手が選ばれることが多いですが、近年ではチームへの貢献度が高いキャプテンなどが務めることもあります。彼の鋭い掛け声に、選手たちが呼応する様子は鳥肌ものです。

【リード役の掛け声】

Ringa pakia!
リンガ パキア!
(意味:太ももを叩け!)

Uma tiraha!
ウマ ティラハ!
(意味:胸を張れ!)

Turi whatia!
トゥリ ファティア!
(意味:膝を曲げろ!)

Hope whai ake!
ホペ ファイ アケ!
(意味:腰を落とせ!)

Waewae takahia kia kino nei hoki!
ワエワエ タカヒア キア キノ ネイ ホキ!
(意味:地面を思いっきり踏み鳴らせ!)

「カ・マテ」本編のカタカナ歌詞

リード役の掛け声で場が整うと、いよいよ全員での合唱が始まります。もっとも有名なフレーズ「カ・マテ! カ・マテ!」の部分です。リズムが非常によく、覚えやすいので、ここだけでも覚えておくと観戦がぐっと楽しくなります。

【本編歌詞】

(リード役)
Ka mate, ka mate!
カ マテ、カ マテ!
(意味:私は死ぬ! 私は死ぬ!)

(全員)
Ka ora’ ka ora!
カ オラ、カ オラ!
(意味:私は生きる! 私は生きる!)

(リード役)
Ka mate, ka mate!
カ マテ、カ マテ!
(意味:私は死ぬ! 私は死ぬ!)

(全員)
Ka ora’ ka ora!
カ オラ、カ オラ!
(意味:私は生きる! 私は生きる!)

クライマックスの歌詞と動き

「死ぬ、生きる」の掛け合いが終わると、物語はクライマックスへ向かいます。ここでは、自分たちを救ってくれた人物(毛深い男)への感謝と、太陽が再び昇る希望が歌われています。最後の「ヒ!」という叫びとともに、全員でポーズを決める瞬間は圧巻です。

【クライマックス】

(全員)
Tēnei te tangata pūhuruhuru
テネイ テ タナタ プフルフル
(意味:ここに毛深い男がいる)

Nāna nei i tiki mai whakawhiti te rā
ナナ ネイ イ ティキ マイ ファカフィティ テ ラ
(意味:太陽を呼び戻し、輝かせてくれた男が)

Ā, upane! Ka upane!
ア ウパネ! カ ウパネ!
(意味:一歩上へ! さらにもう一歩上へ!)

Ā, upane, ka upane
ア ウパネ、 カ ウパネ
(意味:一歩上へ、さらにもう一歩上へ)

Whiti te rā!
フィティ テ ラ!
(意味:太陽は輝く!)

Hī!
ヒ!
(意味:発声とともに舌を出したり、目を見開く!)

読み方のコツ:
マオリ語の母音(a, e, i, o, u)は、日本語の「あ、え、い、お、う」と発音がとても似ています。ローマ字読みそのままで通じることが多いので、カタカナ通りに自信を持って発音してみてください。

歌詞に込められた「生死」の意味と伝説

なぜ「私は死ぬ、私は生きる」と叫ぶのでしょうか。これは、約200年前に実在したマオリの首長、テ・ラウパラハの伝説に由来しています。彼は敵の部族に追われ、絶体絶命の危機に瀕していました。

逃げ込んだ先の友好的な部族の長(これが歌詞に出てくる「毛深い男」です)が、彼をサツマイモの貯蔵庫の中に隠してくれました。追っ手が近づき、彼は暗闇の中で「カ・マテ(私は死ぬのか)」と恐怖し、追っ手が去ると「カ・オラ(私は生きる)」と安堵しました。地上に出て太陽の光を浴びたとき、彼は生還できた喜びを爆発させてこの歌を踊ったと言われています。

特別な試合の「カパ・オ・パンゴ」もカタカナでチェック

オールブラックスにはもう一つ、特別なハカがあります。それが2005年に初披露された「カパ・オ・パンゴ(Kapa o Pango)」です。伝統的な「カ・マテ」とは違い、これはオールブラックスのためだけに作られた新しいハカです。

カパ・オ・パンゴのカタカナ読み方

「カパ・オ・パンゴ」は、特に強敵との試合や、ワールドカップの決勝トーナメントなど、チームが「ここ一番」と判断したときにだけ披露されます。リズムがより攻撃的で、地を這うような低音の響きが特徴です。

【カパ・オ・パンゴ 歌詞】

(リード役)
Taringa whakarongo!
タリンガ ファカロンゴ!
(意味:よく聞け!)

Kia rite! Kia rite! Kia mau!
キア リテ! キア リテ! キア マウ!
(意味:準備しろ! 並べ! 位置につけ!)

(全員)
Hī!
ヒ!

(リード役)
Kia whakawhenua au i ahau!
キア ファカフヌア アウ イ アハウ!
(意味:大地と一体になれ!)

(全員)
Hī! Auē, hī!
ヒ! アウエ、ヒ!

(リード役)
Ko Aotearoa e ngunguru nei!
コ アオテアロア エ ングル ネイ!
(意味:ニュージーランドがここで鳴り響く!)

(全員)
Au, au, auē hā!
アウ、アウ、アウエ ハ!

(リード役)
Ko Kapa o Pango e ngunguru nei!
コ カパ オ パンゴ エ ングル ネイ!
(意味:黒きチーム(オールブラックス)がここで鳴り響く!)

(全員)
Au, au, auē hā! I āhāhā!
アウ、アウ、アウエ ハ! イ アハハ!

Ka tū te ihiihi
カ トゥ テ イヒイヒ
(意味:恐れに立ち向かえ)

Ka tū te wanawana
カ トゥ テ ワナワナ
(意味:戦慄に立ち向かえ)

Ki runga ki te rangi
キ ルンガ キ テ ランギ
(意味:天高く突き上げろ)

E tū iho nei, e tū iho nei! Hī!
エ トゥ イホ ネイ、 エ トゥ イホ ネイ! ヒ!
(意味:ここで立ち上がれ! ここで立ち上がれ!)

Ponga rā!
ポンガ ラ!
(意味:シルバー・ファーン(銀のシダ)!)

Kapa o Pango!
カパ オ パンゴ!
(意味:オールブラックス!)

Auē, hī! Hī!
アウエ、ヒ! ヒ!

オールブラックス専用の歌詞の意味

この歌詞には、チームの誇りである「黒いジャージ(Kapa o Pango)」と、ニュージーランドのシンボルである植物「銀のシダ(Ponga/Silver Fern)」が登場します。ニュージーランドという国そのものと、チームのアイデンティティを強く結びつける内容になっており、選手たちの愛国心を極限まで高める役割を果たしています。

「カ・マテ」が個人の生存の喜びを歌うものだとすれば、「カパ・オ・パンゴ」はチームとしての団結と、対戦相手に対する強烈な挑戦状といえるでしょう。

最後のジェスチャー「首切り」の誤解と真実

「カパ・オ・パンゴ」の最後には、親指を立てて首をかっ切るようなジェスチャーが行われることがあります。これを見て「お前を殺すぞ」という野蛮な意味だと誤解し、批判的な意見が出ることもありました。

しかし、マオリの文化においてこの動作は「体内に生命の息吹(マナ)を呼び込む」という意味を持っています。心臓や肺にエネルギーを注ぎ込み、全力を出し切るという決意表明であり、相手への殺害予告ではありません。文化的な背景を知ることで、あの激しい動きの見え方も変わってくるはずです。

ハカ(Haka)とは?ラグビーで披露される理由と歴史

そもそも、なぜラグビーの試合前にダンスを踊るのでしょうか。単なるパフォーマンスではなく、そこにはニュージーランドの深い歴史と文化が息づいています。

マオリ族の伝統文化としてのハカ

ハカは、ニュージーランドの先住民族マオリの伝統的な舞踊です。「戦いの踊り」として有名ですが、本来は戦場だけでなく、歓迎の儀式、結婚式、お葬式など、人生の重要な節目で踊られるものです。

手足を打ち鳴らし、足を踏み鳴らし、目を見開いて舌を出す。これらの動作は、自分の内なる力(マナ)を誇示し、相手に対する敬意や感情を身体全体で表現するためのものです。現在でもニュージーランドの学校や地域社会では、ことあるごとにハカが踊られています。

ラグビーでの起源と定着の歴史

ラグビーの国際試合で初めてハカが披露されたのは、1888年のニュージーランド遠征チームによるものだと言われています。しかし、現在のようにすべてのテストマッチで、しかもあのような高い完成度で行われるようになったのは、実は1980年代後半からです。

それまでは、遠征先でのファンサービス的な意味合いが強く、動きもバラバラなことがありました。しかし、1987年の第1回ワールドカップ前後から、「バック・シェルフォード」などの選手が主導し、「ハカは真剣な儀式であり、正しく踊らなければならない」とチーム内で再教育を行いました。それ以来、ハカはオールブラックスの魂として欠かせないものとなりました。

対戦相手へのリスペクトと挑戦

ハカは相手を威嚇しているように見えますが、同時に最大級のリスペクト(敬意)の表現でもあります。「お前たちは我々が全力を尽くして戦うに値する相手だ」と認めているからこそ、本気でハカを披露するのです。

ハカが終わった直後の、静寂から一気に歓声が爆発するスタジアムの雰囲気は、ラグビー観戦の醍醐味の一つです。この儀式があるからこそ、選手たちは戦闘モードに入り、観客も試合への期待感を最高潮に高めることができます。

女性もハカを踊る?
ハカは男性だけのものと思われがちですが、女性が踊るハカも存在します。オールブラックスの女子代表チーム「ブラック・ファーンズ」も、試合前にオリジナルのハカを披露し、その勇ましさは男子に負けていません。

試合前のハカをより楽しむための注目ポイント

ハカの歌詞や歴史を知ったところで、実際の映像や試合での注目ポイントをいくつか紹介します。これらを知っていると、テレビ中継で抜かれるカメラのアングルがより面白く感じられるでしょう。

リード役(リーダー)は誰がやる?

前述の通り、リード役はマオリの血を引く選手が務めるのが伝統です。最近では、ハーフバック(SH)の選手、例えばアーロン・スミスやTJ・ペレナラといった選手が情熱的なリードを見せてくれました。

彼らが引退した後、誰がその重役を引き継ぐのかはファンの大きな関心事です。新しいリード役の第一声が響き渡った瞬間、チームの新しい時代の幕開けを感じることができます。

陣形の違い(矢尻型など)

ハカを踊るときのフォーメーションにも注目してください。「カ・マテ」のときは横一列に並ぶことが多いですが、「カパ・オ・パンゴ」のときは三角形のような「矢尻(やじり)の陣形」を組むことがあります。

この陣形は、敵陣深くに突き刺さるような攻撃性を表しており、リーダーがその頂点または中心に入ります。チーム全体がひとつの武器となって相手に向かっていく意志の表れです。

相手チームの反応(受けて立つ姿勢)

ハカをやっている間、対戦相手はどうしているのでしょうか。基本的にはハーフウェイラインの向こう側で、肩を組み、敬意を持って見つめます。しかし、時には「挑戦」に対して「受けて立つ」姿勢を見せるチームもあります。

例えば、フランス代表がV字ラインを作ってジリジリと距離を詰めたり、イングランド代表が「V字」の陣形(逆V字)で包囲しようとしたりしたことは有名です。ハカに対する相手チームのリアクションもまた、心理戦の一部として見逃せません。

ニュージーランド以外のチームも踊る?世界のウォークライ

実は、試合前に踊るのはニュージーランドだけではありません。南太平洋の島国(パシフィック・アイランド)のチームも、それぞれ独自の「ウォークライ(戦いの叫び)」を持っています。これらが激突する試合は、大迫力の文化交流となります。

トンガ代表の「シピ・タウ」

トンガ代表(イカレ・タヒ)が披露するのは「シピ・タウ(Sipi Tau)」です。非常に攻撃的でテンポが速く、拳を地面に叩きつける動作が特徴です。オールブラックスのハカに対して、同時にシピ・タウを始めて対抗することもあり、会場は興奮の坩堝(るつぼ)と化します。

サモア代表の「シヴァ・タウ」

サモア代表(マヌ・サモア)のウォークライは「シヴァ・タウ(Siva Tau)」です。「マヌ・サモア、今こそ戦いのときだ!」と高らかに歌い上げます。リズミカルで動きが美しく、戦士としての誇りに満ちた舞踊です。

フィジー代表の「シビ(ジンビ)」

フィジー代表(フライング・フィジアンズ)が行うのは「シビ(Cibi)」です(「ジンビ」とも呼ばれます)。これはかつて戦場から帰還したときに踊られたものとも言われており、槍を構えるような独特のポーズが含まれます。最近では、新しい「ボレ(Bole)」という、より戦闘的な叫びを取り入れることもあります。

パシフィック・ネーションズの魅力

これらの国々は、ニュージーランドと同じくポリネシア文化圏に属しており、言葉や文化に共通点が多くあります。ワールドカップなどで、ニュージーランド対トンガ、サモア対フィジーといったカードが組まれると、試合前のウォークライ合戦が見られます。お互いの文化を尊重しつつ、火花を散らす儀式は、ラグビーならではの美しい光景です。

まとめ:ハカの歌詞とカタカナを知ってラグビー観戦をもっと熱く

まとめ
まとめ

ラグビーニュージーランド代表が披露するハカには、単なるパフォーマンスを超えた、深い歴史と魂が込められています。今回は「ハカ 歌詞 カタカナ」というキーワードで検索された方に向けて、定番の「カ・マテ」と特別な「カパ・オ・パンゴ」の2種類を詳しく解説しました。

「私は生きる!」と叫ぶカ・マテの生命力、「黒きチーム」の誇りを叫ぶカパ・オ・パンゴの迫力。意味を知ってから見るハカは、今まで以上に胸に響くはずです。ぜひテレビの前で、あるいはスタジアムで、選手たちと一緒に「カ・マテ! カ・マテ!」と口ずさんでみてください。その瞬間、あなたもチームの一員として、熱いラグビーの世界に没入できることでしょう。

タイトルとURLをコピーしました